【税務調査対策】担当者が来たら必ず確認すべきこと|無予告調査は原則なし!

「うちの会社、そろそろ税務調査が入る頃かな?」

中小企業の経営者の方であれば、一度はそう思われたことがあるかもしれません。一般的に、税務調査は4年に1度くらいの割合で行われると言われています。

もし、ある日突然、税務署の担当者があなたの会社にやってきたら、どのように対応すれば良いのでしょうか?慌てずに、そして冷静に対応するために、事前に知っておくべき重要な確認事項と注意点について解説します。

第1章:税務調査の担当者が来たときの確認事項|落ち着いて対応するために

税務調査の連絡は、原則として事前に行われます。「連絡なしに突然税務調査が来る」ということはありませんので、もしそのような訪問があった場合は、警戒が必要です。

担当者が来た際には、以下の点を必ず確認しましょう。

  1. 担当者の身分証明書の確認

    • 顔写真と所属部署が記載された身分証明書を提示してもらい、しっかりと確認しましょう。不審に感じたら、その場で所属部署に電話して在籍を確認することも有効です。
  2. 調査税目の確認

    • 今回の調査は何に関するものなのかを確認します。法人税、消費税、源泉所得税など、調査の対象となる税目を明確にしてもらいましょう。
  3. 調査の対象期間の確認

    • 何年分の帳簿や書類が調査の対象となるのかを確認します。通常、過去数年分が対象となります。
  4. 調査の理由

    • なぜ今回、あなたの会社が調査の対象となったのか、その理由を尋ねてみましょう。具体的な理由の説明がない場合は、さらに詳しく確認することが大切です。
  5. 調査日程の確認

    • 調査に何日間かかるのか、具体的な日程を確認します。会社の業務に支障が出ないよう、事前にしっかりと調整しましょう。
  6. 偽調査を疑う場合の対応

    • もし、相手の言動に不審な点がある場合は、その場で安易に情報を提供せず、一度電話を切って、管轄の税務署に連絡し、担当者の在籍を確認するなどの対応を取りましょう。近年、税務調査官を装った詐欺事件も報告されていますので、注意が必要です。

第2章:過去にはこんな事件も…油断大敵!

過去には、税務調査官が調査先の法人の事務所に忍び込み、窃盗を行うという信じられない事件も発生しています。これは極めて稀なケースですが、税務調査の際に会社のセキュリティの甘さを知ったことが原因の一つとされています。

この事件から学べる教訓は、税務調査の際であっても、必要以上の情報を開示しないという意識を持つことの重要性です。

第3章:税務調査に備えて|日頃からの注意点

税務調査は、日頃の経理処理や書類管理が問われる機会です。以下の点に注意して、普段からしっかりと準備しておきましょう。

  • 現金・通帳・印鑑の管理を徹底する:これらの管理は基本中の基本です。
  • 雑な印象を与えない:整理整頓されたオフィス環境は、信頼感につながります。
  • 仕訳帳や総勘定元帳などの準備:税務調査では、これらの帳簿の提示を求められることが多いです。必ずしもプリントアウトされている必要はありませんが、速やかに提示できるようデータで管理しておくことが望ましいです。必要に応じて、調査官の指示に従いプリントアウトすることもあります。

第4章:【当社の場合】税務署への積極的な訪問が抑止力に?

最後に、当社の事例をご紹介します。

当社では、毎期12月が決算期なのですが、決算が終わるとすぐに決算作業を行い、納税額が算出され次第、決算書・申告書を持って管轄の税務署に直接訪問しています。

税務署の法人税担当者に決算書・申告書を提出し、内容のチェックをお願いするのです。数日後、担当者から連絡があり、もし訂正点があれば、再度税務署を訪問して修正を行います。そして、担当者に納付書を作成してもらう、という流れを続けています。

このこちらから税務署に足を運ぶという方法をとっているためか、幸いなことに、これまで一度も税務調査が来たことはありません。

もちろん、これが税務調査を完全に防ぐ方法とは断言できませんが、日頃から税務署と良好な関係を築き、積極的に情報開示を行う姿勢は、税務署からの信頼を得る上で有効なのかもしれません。


税務調査は、企業にとって少なからず負担のかかるものです。しかし、事前にしっかりと知識を身につけ、適切な対応を心がけることで、スムーズに乗り切ることができます。この記事が、皆様の会社運営の一助となれば幸いです。

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