皆さん、固定資産税についてご存知でしょうか? 不動産を所有していると毎年課せられる身近な税金ですが、実は東京都(特に23区内)の固定資産税には、他の都道府県とは異なる「特別な関係」があることをご存知でしょうか。今回はその違いに焦点を当ててブログ記事にまとめました。
1. 23区内の固定資産税は「都税」である!
これが最も大きな違いであり、東京都の固定資産税を語る上で避けて通れないポイントです。
一般的な市町村の場合:
日本全国のほとんどの市町村では、固定資産税は市町村税として、その市町村が課税・徴収を行います。つまり、皆さんがお住まいの市町村役場が税金を計算し、納税通知書を送付し、税金を受け取っているわけです。
東京都23区内の場合:
しかし、東京都の23区内では、固定資産税は、東京都が課税し、徴収も行う「都税」なのです。これは、東京都の財政調整の特殊性によるもので、都が区の財政を一部補填する仕組みと連動しています。納税通知書も「東京都主税局」から送られてきます。
「え、じゃあ区役所では相談できないの?」と思うかもしれませんが、ご安心ください。固定資産税に関する一般的な相談や一部の手続きは、各区の窓口でも対応している場合があります。しかし、最終的な課税や徴収の責任は東京都にあります。
2. 区への「交付金」で財政調整を行う
23区内で固定資産税が都税となっているのは、単に徴収が都に一本化されているだけでなく、その税収が都の財政に組み込まれ、その後、区に「交付金」として分配されるという財政調整の側面も持っています。
これにより、区ごとの税収の偏りを緩和し、23区全体で一定の行政サービス水準を保つことを目指しています。他の都道府県では、市町村が直接固定資産税を徴収し、その税収を主な財源の一つとしていますので、この点も大きな違いと言えるでしょう。
3. 特別区財政調整交付金と固定資産税
もう少し専門的な話になりますが、この仕組みは「特別区財政調整交付金」という制度と密接に関わっています。東京都は、23区から徴収した固定資産税などの税収を基に、各区の財政力に応じて交付金を配分しています。
このため、都内のある区で固定資産税収が大幅に増えたとしても、その税収が直接的にその区の財政に全額反映されるわけではなく、都全体で調整された上で交付金として還元される形になります。これは、他県では見られない、東京都独自の財政システムの一部です。
まとめ
東京都の固定資産税が他の都道府県と異なるのは、主に「23区内では都税であること」と「都が徴収し、交付金として区に配分する財政調整の仕組みがあること」です。
不動産を所有されている方、これから購入を検討されている方は、この東京都ならではの仕組みを理解しておくと良いでしょう。納税通知書が東京都主税局から届くことや、固定資産税に関する詳細な問い合わせ先が都税事務所になることなどを覚えておくと、いざという時に役立ちます。
ご自身の固定資産税に関する具体的な内容は、毎年送付される納税通知書をご確認いただくか、当社まで、お問い合わせください。